“やりたいことが沢山あったのに早く死ななくちゃならなかったなんて、気の毒で涙がでるわ”
27℃まで気温の上がった5月の神奈川近代文学館は
絶筆となった3句の展示を一目見ようという人たちで混雑していて、
人々の体温と静かな好奇心に満ちた展示場の中で、母はそう呟いた。
至極まっとうな感想を漏らす母と
時々手を繋ぎながら
何度も場内を行ったり来たりした。
野球を愛した子規、新聞社の子規、同人誌の子規を回想する。
場内は、行ったり来たりする来場者を拒まないゆるいカーブの展示がしてあり、又、そんな風に自由に行き来ができる空間が優しい。
子規の、少しロンパリ気味の等身大の写真も
部屋の中のアクセントになっていた。数年前に”坂の上の雲”(TV)で子規を演じた香川照之さんの凄さを改めて感じたりもする・・・
5月11日で展示終了してしまった「絶筆」を滑り込みセーフで拝見できた。
3句が1枚の紙に書かれていた。
1句書いて、書き足りなくて2句書いたのだろうか。
2句書いて、書き足りなくて、3句書いたのだろうか。
私は、何を足りないと感じるだろうか。そのときに。
☆☆☆(写真は展示場出口に置いてあるガチャガチャマシーンの中のバッチ!!!)