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南谷朝子の勝手に映画好き!

見た映画について思うがままに書いていきます。
中央エフエム【84.0MHZ】の”うら!のーとみなみずむ”でも月1回映画について喋ってます。
ブログもあるので覗いてね中央エフエム84.0Mhz


パッション 2004年05月26日(水)

 メル・ギブソンは10年も前からこの映画の構想を練っていたというのですがその結晶がこの映画だとすると
私は彼とは何を共有していいのかわからん。(おまけに多数神の風土で育った日本人だし、私は)
 メル・ギブソンは国粋主義だとさえ思えた。
 キリストに人間的な感情を語らせず、あくまで神の媒体とした視点はとても判り易いものだったけれど、そしてそれを「見届けなければならない私たち」へのパッション(受難)だということは感じたけれど、それだけじゃすまないこの不快さ。
 キリストが徹底的に拷問を受けるさまを描く画面の端々に彼の過去の言語録をはさみこむのですが、その中のひとつにこんなのがあった。

「味方を愛するのでなく、敵を愛しなさい。味方を愛したって何の足しになるでしょう」

 と語る過去のキリストの姿。
 その過去の挿入の仕方から観客である私が汲み取ったものは

 「そして敵を愛すことに徹した結果はこの拷問である」「敵はつぶしておかねばならないのだ」

 というメッセージでした。
 まるで戦争を容認するかのようなこの裏メッセージには寒気をおぼえました。
 頭のいいメル・ギブソンがこのような私の不快感まで計算の上だったというならその計算は何の役に立つのでしょう。誰か、教えて下さい。……−20点

コールドマウンテン 2004年05月16日(日)

 久々に見た映画はジュード・ロウ。うーん、何故か好きなんですよスターリングラード見て以来。そしてニコール・キッドマンとくれば美男美女カップルで文句なし……話題の助演女優 レニー・○×△も良かったし、敵役の1人色白パンク兄ちゃんも美しかった。
 ま、大作でした。でも一番印象に残ったのは主役二人の再会のシーンでも二人の恋物語でもなく、冒頭に描かれた19世紀の戦争のシーン。人が人を踏み潰し、肉は泥にまみれ、何の感情もなく銃を撃てるかと思えば幼馴染の助けを呼ぶ声に敵中へ飛び込んでいったりする……
 戦争は限りなく理不尽なものだということが見る者の心に食べ物のように飛び込んでくる冒頭でした。
 そしてあとひとつ泣けたのは戦争で夫を失って赤ん坊と家を守っていた若き母が脱走兵である主人公に一晩だけ隣で寝てくださいとお願いするシーン。心に残りました。
 登場人物はすべて大写しに耐える美しい人々でした。……55点。

DOG VILLE 2004年03月01日(月)

 こんな映画に関われたらちょっと鼻高々だろうなあ。すごく羨ましかった。現場にいたかった。
 画面の役者たちは特別なことは何一つしない。与えられた場は白い線で区切られたセット。
 家のドアを開け閉めするのはマイム。(ドアの音は入る)。その、映画の常識からは外れたやり方が後半で俄然観客の創造力をくすぐる結果になろうとは……すべて監督の計算道理だったはずです。すごい。
「善意」という人の心理の危うさをすべての登場人物が「何も特別なことしないで」現していた。こういう場合
役者には監督からどんな指示が出てるのだろう。知りたい。
 劇の後半で明らかに「エゴ」をむきだしにしだした男と「無垢のまま」の主人公(ニコール・キッドマン)の、どこかに私にでもわかる表現上の違いが出ていないかと、必死で目の色とか息使いとかを探したが、二人の役者は「同じ作業」で役を演じているとしか考えられず、この映画の現場への憧れはますます強くなるばかりでした・・
 ふと「津山大量殺人事件」のドキュメンタリー読んだときと似た気分にも襲われました。エンディングタイトルに
 デビット・ボーイが流れると妙に腑に落ち、じわっとしみこんで来る様な・・(何がだ!)歌詞と映像が
不気味なくらい合うんですわ、これも監督のねらいでしょう。
 人の心の闇や、コミュニケーション不足を嘆く作品は数あるでしょうが、これほどまでに人間の方向を指し示して鮮やかな作品は見たことなかったです。監督は男前な人だろう、さぞかし。
 ニコール・キッドマンも男前だった。……95点

解夏 2004年01月31日(土)

 げげ、と読みます。仏教用語です。長崎のにおいがしてきます。きをてらわない懐かしいよな感じの映画です。
 原作はさだまさし。きっと本当にあった話なんでしょう。出てる役者さんはみな透明感にみちました。
 でも。この映画をみて涙する人は「これはひとごと」だからこそ涙するのかな、と思って複雑な気分になりました。
 勉強はいくらしても足りない……60点

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